八王子簡易裁判所の建築確認が出ないらしい

読売新聞のウェブニュースを見ていると、一見しただけでは理解できない見出しが。
「簡裁はエレベーター設置を...建築確認出しません」
エレベーターの確認の話なのか?と思いましたがそれもヘンなので、読み進めると、
八王子市は、八王子簡易裁判所を建て替えるため国が出した建築確認申請について、エレベーターがないことを理由に、計画を変更しない限り申請を認めない方針
とのこと。
失礼ながら、部外者から見て大変興味深い出来事です。通常、建築確認は法的に問題がなければ確認されるわけですが、八王子市側の対応は建築主事ではなく、市長が、
「要望書に対する返答もない。このままなら、期間を過ぎても留保せざるを得ない」と主張。さらに「法律違反ではないにしても、率先してバリアフリーを進めるべき官公庁が公共の建物を新設するのにエレベーターをつけないとは、市民感覚がなさすぎる。最高裁には翻意してほしい」
と、意見を出したそうで、よくぞ言ったと思います。
そもそもエレベーターは誰が使うのか、という点で、裁判所側は自分たちの職員が使うことを想定していないのでは、話にならないのではないでしょうか。
それとも裁判所職員は健常者しか採用しないんでしょうか。
今回の一件、結末を注目しています。
問題提起をしないと「お上」は何も変わりません。
前例がない、だからやる。
八王子市、がんばれ。
蛇足ながら、我々はよく確認申請後、確認が終わると「確認が下りた」なんて言い方をしますが、これはいうまでもなく「お上」である「お役所様」から有り難い「確認済証」が下ってきたということなんでしょうが、今回の場合は相手が国ですから、これには当てはまらないですね・・・
当然新聞各社の見出しも「確認下ろさず」なんてのは一つもありませんでした(^_^;)
あとついでに、建築関係者ですら「建築確認」を「建築許可」といってしまう人の多いことが嘆かわしいです。
東京新聞、「鉄筋二階建て」は無いでしょう・・・

以下引用です。

簡裁はエレベーター設置を...建築確認出しません
(2011年2月7日22時39分 読売新聞)
東京都八王子市は7日、八王子簡易裁判所を建て替えるため国が出した建築確認申請について、高齢者や身体障害者が利用できるエレベーターがないことを理由に、計画を変更しない限り申請を認めない方針を決めた。
黒須隆一市長が同日の記者会見で表明した。
計画されている建物は2階建て。国は「エレベーターがなくても、バリアフリー新法や都条例に違反しない」との見解だが、ユニバーサルデザイン(だれでも利用しやすい設計)を推進する市は「国の建物は自治体や民間の手本になるので影響は大きい」と、後に引かない構えだ。
国土交通省建築指導課によると、バリアフリー新法は2階建て建築物にエレベーターの設置義務を課していないが、地方自治体による上乗せ規制を認めており、都条例では2階建てでも対象になる。ただ、「不特定多数が利用する」などの条件があるが、担当の最高裁経理局は「不特定多数の人は利用しない。車イスの人が来ても、1階部分で対応できる。法的な問題はない」としている。
同局によると、全国の裁判所の建物のうち、2階建てでエレベーターを設置しているのは、東京都町田市にある町田簡裁(1996年築)のみという。
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東京新聞 2011年2月8日
八王子簡裁「エレベーター設置を」 市長 建築確認手続き留保も
今春完成予定の八王子簡易裁判所(八王子市明神町)の建て替え計画について、黒須隆一・八王子市長は七日の会見で、バリアフリー対応が不十分として「エレベーターを設置してほしい。このままなら(着工に必要な)建築確認申請の手続きを留保せざるを得ない」と、裁判所側に計画変更を強く求めた。
建築基準法では、市は申請を受理してから三十五日以内に確認済証を交付するとされている。今回は一月二十一日に申請を受理しており、今月二十四日が交付の期限だが、仮に留保されれば着工できない。
市によると、簡裁新庁舎は鉄筋二階建て。一階に法廷や書記官室があり、二階は調停室などを置く。最高裁は「二階の利用者はあらかじめ特定でき、高齢者らが利用する場合は、職員が車いすを持ち上げて階段を上り下りするので問題ない」と説明。バリアフリー法を所管する国土交通省も、問題ないとする見解を示したという。
しかし黒須市長は「簡裁は何十年も使うもの。エレベーターを設置しないのは、市民感覚からあまりにかけ離れている。計画変更を強く望む」とした。
最高裁は「記者会見の内容について事実確認できないため、コメントできない」(広報課)としている。
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毎日新聞〔多摩版〕
八王子簡易裁判所:市長、建築確認「留保」 エレベーター不設置で /東京
エレベーターが設置されないまま建て替え計画が進んでいる八王子簡易裁判所(八王子市明神町)について、黒須隆一八王子市長は7日、国から提出された建築確認申請を「留保せざるを得ないと思っている」との考えを明らかにした。
計画では新簡裁は鉄筋コンクリート2階建てで、最高裁は「車いすを利用する障害者などが来庁しても1階ですべて対応できる」としてエレベーターを設置しない方針。これに対して市は「高齢者や障害者の利便性に配慮した環境を整備するのは当然」として、1月20日、エレベーター設置を求める要望書を最高裁事務総長あてに提出した。しかし翌21日、エレベーターがないままの建築確認申請書が国土交通省を通じて市に提出された。
建築確認は、法に反しない限り、申請を受けてから35日以内に済ませるよう建築基準法で定められている。国交省はバリアフリー対策に問題がないと判断したとみられるが、黒須市長は「要望書に対する返答もない。このままなら、期間を過ぎても留保せざるを得ない」と主張。さらに「法律違反ではないにしても、率先してバリアフリーを進めるべき官公庁が公共の建物を新設するのにエレベーターをつけないとは、市民感覚がなさすぎる。最高裁には翻意してほしい」と訴えた。
最高裁判所広報課は「現在の計画はバリアフリーの関係法令の趣旨にそったもの」と改めて見解を述べ、市長の発言については「詳細が分からないのでコメントできない」とした。
この問題に関しては東京、第1東京、第2東京の3弁護士会も最高裁に設置を求めているほか、八王子障害者団体連絡協議会も「障害者差別にあたる設計案」としてエレベーター設置を求めるよう市に要望書を出している。

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