ブルボンヌさん下諏訪へ

下諏訪町PTA連合会と青少年健全育成協議会との共催による、令和元年度の下諏訪町子育て講演会として、女装パフォーマーのブルボンヌさんに、「「普通」って、なぁに?」と題してお話してもらいました。

冒頭から、Abba の Dancing Queenに乗せて場内をくまなく歩き、ほぼすべての観客と握手をして、一気にブルボンヌワールドへ引き込まれました。

講演内容は至って真面目に、当会の「子育て」に寄せて頂く内容で、90分が短く感じられる濃いものとなりました。
左利きの方が居るのと同じように、LGBTの当事者は一定数居ること、「少数派」とは言え、全人口から考えると、かなり多いということ。
一言に性別と言っても、「遺伝子の性」の他に「肉体の性」「装いの性」「振る舞いの性」「戸籍の性」「対象の性」があり、単に「男か女か」で白黒つくものでは無い事。
そのためLGBTの象徴が虹色で有ること、ただし、LGBT(レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダー )という言葉は一般的になってきたのは良いけれど、この4種に該当しない、例えばアセクシャル(無性愛)などの人達もおり、言葉としての功罪を仰っていました。

ゲイ雑誌の編集者から、今では「女装パフォーマー」としても活躍されているブルボンヌさんですが、お母様へのカミングアウトは30代になってからだとか。長年連れ添っているパートナーも男性です。

講演後には著書の対面で販売をしつつ写真撮影も行い、短時間ではありましたが直接の交流も出来たので、参加者の満足度は高かったのではないでしょうか。

別冊NHK100分de名著 わたしたちの手塚治虫

ブルボンヌさんの担当は「性と愛の章 リボンの騎士」

去年の今頃、下諏訪町PTA連合会長就任の打診があったときから、「どうせ引き受けるなら、講演会ではブルボンヌさんを呼ぼう、御礼の花束はレインボーローズ」と考えており、紆余曲折を経て、その思いが1年を掛けて成就しました。

レインボーローズ

講演後にプレゼントしたレインボーローズ

花束以外に、事務所社長の家弓さんと、ブルボンヌさんの同居人の方へ一輪ずつ、レインボーローズを差し上げました。ちなみに家弓さんもゲイを公表されている、とても紳士的な方で、打ち合わせ時に、うな富で一緒に鰻丼(特上)を食べました。

広報は例年と同じく、ポスター、チラシ、町内回覧板程度でしたが、私もSNSで発信し、ブルボンヌさん自身もラジオ番組で告知して頂いた影響もあり(隣県、山梨放送YBSラジオですが)
Twitterからラジオ経由で来た人がいるなんて、これまでの当町PTA講演会では無かったはずで、
年齢層も小学生から80歳代まで巾広く、LGBT当事者の方も来訪して下さいました。
出席者の数名から「よく、ああいう人を見つけて呼んでくれた」とも言ってもらい、肩の荷が下りた感じです。

「ブルボンヌさんを、どうやって知ったの?」とも良く聞かれましたが、2012年頃のラジオが最初です。
一番最初はNHKラジオ第1「午後のまりやーじゅ」でしたが、放送時間的にほぼ聴けず、よく聴けるようになったのは、文化放送「夕やけ寺ちゃん 活動中」でした。現在では、山梨放送YBSラジオの金曜午後の「はみだし しゃべくりラジオ キックス」です。
当初は女装のビジュアルを全く知りませんでしたが、ラジオという聴くだけのメディアで話しが上手い人、なので興味深く聴いていました。
有名人でも、原稿読むしか出来ない人も居る中、自分の言葉で語ることが出来る人は素晴らしいです。

講演会裏話的には、当日の応援スタッフの昼食を、例年ならおにぎり二個程度だったものを、弁当に格上げ出来たこと(結構重要だと思っている)、講師をエスコートする立場なのに、開始10分前に両足がつってしまい痛かったこと。講演会後にブルボンヌさんと所属事務所社長を諏訪大社秋宮に案内出来たこと、(家弓社長は事前に春宮と万治の石仏を案内できました)など。
仲間の役員がポスター貼りに尽力してくれて、飲食店の他、駅の待合室にも貼ってもらった事は嬉しかったことの1つです。
当事者意識をもって動けるというのは重要な事で、他人事だと思っていると人の指示がないと動けないし、指示をしても動けない人がいる、というのは実生活でも同じかもしれません。

今回は組織としての講演会でしたが、チラシやポスターも自分でデザインし、自分が一番楽しんだ講演会でした。主催者がイヤイヤやらされ感満載じゃ、来た人も面白く無いですよね?

広報をしていて当然ながら、興味の無い人には正直なところ、女装というで敬遠された方もいるだろうと思っています。また、失礼ながら知名度で言えば、夏に来町した、テレビが主戦場と思われる、はるな愛氏には及ばなかったかも知れません。
でも、来場された人にしか分からない事ですが、この講演会は女装で行った事に意義があると信じています。「スーツを着てネクタイを締めた靖紀さん(ブルさんの本名)」では、全く違ったでしょう。

来なかった人には伝わらないんだけど、来なかった人にこそ伝えたいという、ジレンマを感じた講演会でもありました。

同席した町内の来賓の教育委員会の皆様や教育関係者の皆さんには、どのように映ったのでしょうか。先生の皆様に、教育現場で、こういった性の悩みを受け止めてくれる存在になって頂きたいと願ってやみません。

講演会後に、ブルボンヌさんを交えて「学生の頃、同性に告白されたけど、当時は上手にお断りを伝えられなかった」という女性の話も聞きました。彼女は、「今ならもう少し上手にお話し出来だろうにと」といっていました。
好意を伝えられたのは相手の性別うんぬんではなく、嬉しい事だよね、という話しになりました。

今回は「多様性」のごく一部の話題に過ぎませんが、「多様性を認め合おう」というのではなく、(学校では一般的に『みんな仲良く』を言いがちですが)
「私はそれを理解できないけれど、『あなたがそれを大切にしているという事』は理解します」
といった考えの人が、少しでも増えるといいな、と思っています。
自分の「ふつう」と違っても、挨拶くらいは出来ないとね。

講演会後にブルボンヌさんが「子どもさんが少なめだったので、ちょっと大人に寄せた内容にしました」と仰っていました。その時の状況に合わせて微調整をして下さるのは、さすがにプロフェッショナルです。(山梨では、高校での講演機会もおありです)

体育館と言うこともあって、座席配置からの準備をしなければならないので、スタッフからは、「会場の準備が整ってからブルボンヌさんに見てもらった方がいいのでは?」なんて意見もありましたが、そういうところに合わせて下さるのがプロなのだと思います。

慰労会では、ブルボンヌさんプロデュースの「Campy! barに行こう!」という意見も飛び出しましたので、話しだけに終わらずにいたいものです。

また、今回が昨年度と違う大きな点は、講師の依頼に広告代理店を挟まなかった事。
これはかなり大事な事だと思っています。
思うに、広告代理店から講師候補の提案も受け、講師とのやりとりやポスター製作を一括して頼めるから楽、と言うことだっだのでしょうが、
今回の依頼は直接、講師所属事務所へ交渉し、私が責任を持ってやりとりを行いましたが、現代ではメールで事足ります。
この程度の事を広告代理店に依頼したところで、集客まで依頼出来る訳ではありません。
直接交渉であれば、最終的に講師本人に入る講演料も多いはずです。

講演会ポスター

翌日掲載 下諏訪市民新聞

翌日掲載 長野日報